夜中に立っていた人

2004年9月23日
数日前、電気も点けっぱなしで熟睡してしまった。

自分の部屋だけでなく、台所の電気も点けっぱなしだった。

私と台所はガラスの戸で区切られていて、ガラスにはいつも台所からの光が入っていた。

その晩。
やばい、今日も点けっぱなしだ、またお姉ちゃんに怒られるかも。
とは思いながら眠くて起き上がる気にもならず、ふと、台所につながる戸を見たら、男の人が立っていた。

右側の戸が開いていて、丁度台所と私の部屋の境目に立ち、こちらをじっと見ている。
白いシャツに、黒いズボンを履いた、割とがたいのいい、肌の浅黒い、年上の男の人だった。

途端に、身体が、まずいものを見たという感覚になり
寝なきゃ、寝なきゃと呪文のように唱えて目をつむった。

朝。
ガラス戸は閉まっていた。
部屋の電気も消えていて、台所の電気も消えていた。
姉がしたことかもしれない。
でも昨夜の不安で、人が侵入した可能性もなくはないと、家中の戸締りやガラスが割れた形跡を見たけれど特に異常はなかった。

今日まで、そのことで幾分不安になっていた。

でも、部屋の整理をしているとき、「あっ」と思うことがあった。

昔、付き合っていた恋人からもらった、ベネチアガラスのハート型のネックレスを入れた小さな巾着が見つかった。
オルゴールの中に入っていたけれど、ある時から見なくなった。

あぁ、見つかった、懐かしいなと思って手を入れると、二つに割れたハートの片割れが出てきた。

私が粗末に扱ったために袋の中で割れていたのだ。

はっとした。

それから、あの夜見たのは、昔の恋人だったかもしれないと、妙に納得してしまった。

背格好もよく似ていた。。。

今、ネックレスをどうするか、少しだけ悩んでいる。

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